狩猟の魅力まるわかりフォーラム
まるわかりではないけれど

平成24年から全国各地で開催されている「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」。今年は兵庫県と宮崎県の2箇所で開催。去年は猟期直前に三重県で開催されていたのですが、ちょっとさすがに遠すぎるということで断念。今年はせっかくお隣の県で開催されるので参加してみました。

数分遅れて会場に入ったのですでに始まっており、行政関係の方からの挨拶や兵庫県の鳥獣被害の実態などが報告されていました。こういう話を聞くと、狩猟で多少なりとも社会のお役に立てればいいなぁとは思います。
同時に、狩猟と有害駆除はそもそもの目的が違うとも思うので、密接に関わっていることとはいえ一緒くたにしない方がいいんじゃないかと思います。

その後は実際に狩猟雑誌『けもの道』の編集長のお話と、狩猟をされている方のトークセッション。これらはもっと時間があればよかったかなと思います。ちょびっと消化不良。
でも、登壇されたハンターの皆さんのお話は、狩猟に興味を持ったばかりの人にとって参考になるお話だったと思います。犬と一緒に狩猟することは考えたことがありませんでしたが、初めて楽しそうだなと思いました。
編集長の「水辺の生き物の味や匂いは水質の影響を受けやすい」というお話は、個人的にとてもありがたかったです。そんなわけでヌートリアは獲る場所で味が変わるとか。今期カモかキジが獲れたら狙う気満々でしたが、まずは目当ての場所の水質に注意しようと思います。

今回参加した一番の目的は、『山賊ダイアリー』の書き下ろし冊子。単行本に収録されているお話でもいいやと思っていましたが、未収録作品でうれしかったです。狩猟フォーラムに合わせ、安全な狩猟がテーマになっています。とても大事なことですが、固くなりすぎずおもしろおかしく描いてくれていました。さすがです。

右が限定配布の冊子。左はアンケートに答えるともらえるクリアファイル。3種類あったので全部欲しい人は『山賊ダイアリー』に興味ない人を探しましょう。

同じ冊子に作者の岡本健太郎さんと、『ぼくは猟師になった』の千松信也さんのトークセッションがありました。おそらく最近狩猟に興味を持ったら真っ先に情報源となるお二人だと思います。僕も大変参考にしています。このお二人の2ショット写真(岡本さんはイラストですが)だけでちょっとテンション上がります。ただ、取材者の質問にそれぞれが答えるだけなので、トークセッションのおもしろみはありませんでした。がっつりと対談して欲しかったですね。
お二人の狩猟に対する意識はちょっと違うようですが、狩猟のおもしろさや魅力に関する質問への回答を読むと、根っこは同じなのかなと思いました。やっぱり自分の知識や知恵、五感を使って食べ物を手に入れるのは楽しくておもしろいんですよ。狩猟の魅力は人それぞれあると思いますが、突き詰めていけばこれに集約される気がします。

剥製
漫画と文章で狩猟の魅力を伝えてくれるお二人のツーショット。

他には箱罠の実演、猟具の販売、ジビエの試食や狩猟関係の書籍紹介コーナーなどがありました。狩猟試験で使う模擬銃もあり、これは大変賑わってました。みなさん銃を構えて写真を撮っていましたが、僕が見た人全員見事に指が引き金にかかっていました。試験でやれば減点です。とはいえ僕も初めて模擬銃持った時は無意識に引き金に指をかけていました。何にも考えず自然に指かけちゃうんですよね……なんでだろ。自分で持つ頃にはそれがどれほど危険で恐ろしい行為か理解しましたが。
個人的にはいろんな剥製を見れたことが良かったです。外見や大きさが似ている獣、それぞれの大きさと特徴がよくわかりました。

剥製
小型の獣のサイズがよくわかります。ツキノワグマはがっしりした犬みたいに見えましたが、じっと見てると恐怖を感じます。

狩猟の魅力がまるわかりになるか?と聞かれると「そこまでじゃあない」と答えますが、そもそも魅力なんて主観的なものですからね。「狩猟するのはなかなか大変なこともあるけど、おもしろいよ」ってことは十分伝えてくれています。もちろん開催場所によって内容の差はあると思いますが、近くで行われているなら参加する価値はあると思います。

けもの道 2017春号

エアライフル猟の特集はとても参考になりました。ヌートリア猟に関する情報はあまり見たことないので特にありがたかったです。Kindle Unlimited読み放題の対象書籍なので会員なら無料で読めます。

参考サイト

What’s so bad about feeling good?

Update:

Text by pushman

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