エースハンターでの狩猟2年目開始
2018年度 1回目の出猟

昨年は実質2ヶ月間の猟期で13回出猟し、なにも獲れなかった。それでも学んだことはたくさんあるので、「何回か出猟したら獲れるだろう」というゆるい予感がある。今年は台風の直撃が重なり、山の景色が一変しているところも少なくない。幸い事前の下見では猟場に大きな被害はないように見えたが、それとは別に、河川の護岸工事が進んで茂みが無くなっていたり、水が濁っていたり、小さくない変化は起きている。
それがどれぐらい影響しているのかわからないけれど、猟場でカモやキジを目撃することなく狩猟解禁を迎えた。

まずは下見中に見つけた、昨年なら「いないな」と決めつけていたような水路に行ってみる。発見した時にはコガモが気に入りそうだと思ったけれど、何もいなかった。
次に向かった大きなすり鉢状の池(すり鉢池と命名)で、カルガモを発見。気分は盛り上がるけれど、ここで慌ててはいけない。ひとまずもっと近づこうと、カルガモを見ながら歩き出すと、すぐに飛び立たれてしまった。距離が100m以上あったとはいえなぜカルガモを見ながら移動したのか……。野生の鳥を舐めた迂闊すぎる行動だった。

下見中に見つけた、工事現場の水たまりのような池にいたカモの群れ。隠れるところがなくてもカモがいることがある。

気を取り直して昨年マガモを目撃した山の中の池(山中池と命名)に移動。カルガモ4羽とスズガモのつがい、あと1羽判別できないカモを発見。全て50m以上離れているが狙えなくはないかな……という距離。とりあえずケースからエースハンターを取り出すと、カルガモのみが飛び立ってしまった。残ったスズガモは癖のある味だそうで、初めて食べる野生のカモにするのは気が進まない。

池に向かう途中の山道から撮影。なにがいるというわけでもないのに、自分が山に入ると「やるぞ」という気分になる。楽しい。

念のためスズガモを食べた人の感想をスマホで検索して、改めて最初のカモにはしないことを決意。そのまま30分ほど観察。
特別鳥が好きなわけでもないのに、全く飽きない。焚き火しながらコーヒー飲んで観察したら『山賊ダイアリー』っぽくてなお楽しそう。いつかやってみたい。

そんな妄想をしながら双眼鏡を覗いていると、突然頭上でカモの鳴き声が聞こえ、頭が緑色の鳥が4羽、視界に飛び込んできた。「マガモだ!」と思わず身を起こしてしまい、最後に着水した1羽が飛び去ってしまった。経験上カモは仲間(同じ種類)と同じ行動をとるので、残りもすぐに飛び立つ可能性が高い。慌ててエースハンターを取り出しているうちに、2羽も飛び去ってしまった。

残るは1羽。これはもうやるしかないとマガモの動きを目で追いながら、12回ポンプ。その間にマガモは岸沿いの木からせり出している鬱蒼とした枝の下に移動し、姿が見えなくなってしまった。念入りに双眼鏡で20分ほど探し続けても、マガモの姿はどこにも見えないので、気がつかないうちに逃げられてしまったらしい。

こうなると困るのが12回ポンプした状態のエースハンター。ペレットは装填していないけれど、12回もポンプした状態で空砲を撃つのは故障につながることもあるそうなので、味は気にせずスズガモを狙うことにした。こんな理由で本当に申し訳ない。
マガモと比べれば警戒心が薄いので、撃ちやすい位置まで楽々移動できる。ペレットを取り出して装填しようとした時に、すぐ近くからマガモが飛び出しガァガァ鳴きながら飛び去ってしまった。
緊張の糸が切れるのを実感しながらペレットをケースに戻して、スズガモの存在を思い出したけれど、どうも気が抜けてしまったので、結局空砲を撃って初猟を終えた。

とても悔しいけれど、マガモの着水を見ることができたのは嬉しかった。視界に入った瞬間は驚くと同時に、「きれいな鳥だなぁ」と感じたことを覚えている。そう思いながら、ちゃんと仕留めて食べることを両立させるのが猟師なのかもしれない。早く猟師になりたい。

参考サイト

What’s so bad about feeling good?

Update:

Text by pushman

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