RDR2 ストーリーモードの感想
善悪の基準を知る

自由に狩猟ができたり、気の赴くまま悪事を働けるのはおもしろそうだなと思い、なんとなく始めた『Red Dead Redemption 2(RDR2)』。複雑な操作性に四苦八苦しながら遊んでいたが、気がつけばRDR2の世界に生きている夢を見る程度には物語にのめり込んでいた。

馬に乗って移動しているだけで楽しく、トラブルに巻き込まれている人や、個性の強い人たちとの出会いも楽しい。なによりゲーム内で起きる(メインストーリーに絡まない)出来事に関わるのは自分の判断次第なのが、大変おもしろい。
おかげで一向にストーリーモードを進められない日々が続いていたが、ようやくクリアすることができた。

始めた直後は主人公アーサーが属する「ダッチ・ギャング」内の人間関係がよくわからず、物語の軸となるものが見つけられなかったが、物語が進み、操作に慣れてくると、人間関係やアーサーの葛藤がようやく見えてきた。その頃には現状を招いたのは自分の操作や選択の結果のように思えて、あらかじめ決められた物語をなぞっているようには感じなかった。

RDR2 - ムービーシーン

このゲームが当時の世界をどれぐらい忠実に再現しているのかわからないが、暴力や死がすぐ近くにあり、自分がその世界をどう生きていくかを選択するのは期待以上におもしろかった。また、ゲームに組み込まれている物語に没入させる数々の仕掛けも楽しめた。
例えばお風呂に入るとステータスが回復するメリットはあるものの、実際にボタンを押して身体を洗わないといけないし、少し時間もかかる。正直めんどくさい。しかしずっとお風呂に入らないと、ギャングの仲間にたしなめられて強制的に身体を綺麗にされることになる。他にも強制的に進んでいくムービー中でも操作をしないといけないことが多々あり、それが自然な流れなので単純作業であっても楽しい。
あらゆる要素が「腰を据えて楽しんでくれ」と求めているし、そうせざるを得ない内容に仕上がっていると思う。

RDR2 - 入浴
入浴中。髪を洗うためにボタンを連打する。追加料金を払えば洗ってもらうこともできる。

ゲーム性と物語の融合もうまくできていて、初めて(操作ミスで)悪事を働いた時は強い罪悪感を感じたが、しばらくすると慣れてしまい、それがおもしろくなった。悪い行いでも影響があるのは名誉レベルぐらいなので、必要に応じて悪事を働くようになったが、それでもたまには「やりすぎた」と思うこともあり、善悪の基準を都合よく作っていくことになる。
そうしてできたいくつかのルールはシンプルで、「困っている人は助ける」「頼まれたら断らない」「必要なものは奪ってでも手に入れる」「売られた喧嘩は買う」。なんとなくジャイアン的な人物に仕上がった気がするが、ほとんどの出来事をこの基準で選択した。その結果迎えた物語はなかなか残酷な結末を迎えたが、少しだけかっこ良さを残していた。

RDR2 - 家を建てる
物語後半で家を建てるシーン。見ているだけでいいと思っていたら、木材を運んだり釘を打ったり、ちゃんと自分の手を動かさないといけない。

もちろんゲームなので、メインストーリーはなるべくしてなるようになっているはずだが、「あの時のあっちを選んでいたら……」と気になるポイントがいくつかあるので、物語を選択した感覚が強い。もしかすると違う結末を迎えた人もいるんじゃないかと、まだちょっと疑っている。

もう一回最初からやり直し、今度こそ極悪非道な冷血漢として遊びたいと思っているのだが、クリア後に始めたオンラインモードも大変おもしろく、当分の間やり直すことはなさそう。そんなわけで、オンラインモードはそこそこ悪いことばかりして楽しもうとしているが、下手くそなので大抵返り討ちにあい、改心させられている。

Red Dead Redemption 2

ストーリーモードをクリアしてからもやり残したことがたくさんあるはずなので、世界観が気に入ればずっと楽しめる気がします。オンラインは殺伐としていますが、それもひっくるめてめちゃくちゃおもしろい。

奪取ラッシュでMVPをいただいたので記念に公開。

What’s so bad about feeling good?

Update:

Text by pushman

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