ヘウレーカ
何度でも小気味良く読める物語

世界史を勉強したことがないので時代背景はよくわからないのですが、ローマ帝国が猛烈に盛り上がってきた時代の物語らしいです。数学者アルキメデスが発明した兵器に守られている都市シラクサを舞台に、弟子(?)のダミッポスの目を通して、戦争が生み出すものや、戦争を通して変わってしまう人の心の動きが描かれています。

『ヘウレーカ』

大好きな物語なんですが、Amazonのレビューではわりと不評なので驚きました。僕は全然悪くないと思います。歴史物ってどこまで創作するのか難しいと思いますが、よくもここまで楽しめる物語にできるもんだなと感嘆しました。

力無い者たちが力を合わせて強大な敵を打ち破ったり、力に知恵で対抗するエピソードは小気味良いですし、物語のあちこちに「知ってよかった」と思える知識や知恵が散りばめられ、賢くなったような気になれます。
おまけ的に恋愛要素も描かれていますが、わりと切ない気分にさせられるので油断大敵です。

1冊に収まってしまう短い物語なのにいろんな要素を含んでいるので、繰り返し読まれることに耐えうる良質の物語だと思います。

ヘウレーカ

『寄生獣』っぽく見える表紙ですが、全然関係ありません。

What’s so bad about feeling good?

Update:

Text by pushman

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