クリスマスなので「ヘテロセクシャル」を読みました。
でも、クリスマスは全然関係ありませんでした。他の岡崎京子さんの作品と同様、様々な形の個人の幸福を描いた、4つの短編と、いくつかの短い散文からなる物語です。Amazonの解説では、短編小説となっていますが、後書きではっきりと小説ではないと断っていますので、まあなんというか散文なんでしょう。それと、5編とありますが、僕が買った本には4つしか収録されていませんでした。ま、古本屋ですからね。しょうがないです。
気軽に読める、岡崎京子入門に最適な短編集、ではないかと思います。
全24編が、4ページか6ページで終わる、あっさりとした物語から、一つの大きな話につながっている物語です。ロバート・アルトマンの映画を好きな人は、もう必然的に好意を持ってしまいそうな設定なわけで、はっきりいって、僕は読む前から好きになっていました。
特にどの物語が印象に残った、というのはないのですが、全部ひっくるめて一つの物語なので、当然といえば当然なのかもしれません。
岡崎京子さんの魅力は底なしですね。「万事快調」「恋愛依存症」「ロシアの山」「お散歩」という4つの短編が収録されています。
活動を停止される直前の作品は、ちょっとやばいくらいこころにえぐり込んできますね。「UNTITLED」は、1回読んで「なかなかいいな」とえらそうに判断したのですが、ちょっと時間を空けて読み直したら、なんですか、これは。むちゃくちゃいいじゃないですか。
先週は「岡崎京子短編読書週間」と銘打って、短編を読みふけりました。岡崎京子さんの魅力は底なしですね。本当に。
最高傑作と言われる作品を読んだ後に他の作品を読んでも、心の奥底を木製バットでぶん殴られるような衝撃、1時間に1mmずつ押しつぶされるような圧迫感を感じることは無く、ただただ「すごいなぁ」と思うだけでした。しかし、この作品と「チワワちゃん」を読んで、すばやく心を入れ替えました。
岡崎京子は、ちょっと相当猛烈おもしろいです。
「チワワちゃん」を読みました。7つの物語からなる短編です。岡崎京子さんの短編集は他に「エンド・オブ・ザ・ワールド」を読みましたが、その時の感想は「短編集は軽いなぁ」といった感じでした。感想にも書いてますが、さらっと読めるし、心が苦しくなる感覚はあまりなかったんですね。
しかし、この短編集は、いいですね。にわかファンの僕が言うのもなんですが、岡崎さんの知らなかった一面を知ることが出来ました。
今回は「pink」を読みました。いや、岡崎京子さん、ほんといいですね。「ジオラマボーイ パノラマガール」の前に発行されていますが、こっちのほうが作品としておもしろかったですね。
帯の言葉がいいです。「愛と資本主義。」そしてそれに続く言葉「さあ、はじまり、はじまり でも一体 なにが?」ものすごく斜に構えておいて、普通のOLの会話でこの物語は始まります。
最近ドーンと岡崎京子さんの作品にはまっているわけですが、もっとも気持ちをざわつかせてくれた作品は、もう間違いなく「ヘルタースケルター」です。
さえない(ほんとはさえてる)女の子(あるいは男の子)が、ふとしたことでモテモテになって、いい男(あるいは女)と結ばれハッピーエンド。おそらく物語がつくられてからでずっと語られている、世の中の多くの人が気持ち良くなれるこの手のシンデレラストーリー。しかしその先にあるもの、その実情、その心のうごきはほとんど描かれていません。だからこそ気楽に感動出来て、人気があるわけですよね。僕も嫌いではありません。しかし、この「ヘルタースケルター」は、そういう話の開始1時間後、きれいになって今まで見向きもしなかった人も主人公に注目し出した頃から始まります。そして、そんなシンデレラストーリーを今までと同じ気楽な気持ちで見ることが出来なくなるところまで、読者を引っ張り込んでしまいます。そして、それはそういう話を好んで求める人々をすごく不安な気持ちにさせると思います。
というわけで僕も読んでいる間、そして読み終わった後、誰かに隠し事をしている時のような腰の落ち着かない感覚がなかなか消えず、本当に疲れてました。
もとのままのもんは骨と目ん玉と髪と耳とアソコぐらいなもんでね
あとは全部つくりもんなのさ
僕は気に入った本や映画や音楽に巡り合うと、もうとにかくその人の作品を全て時系列に読みたく、見たく、聴きたくなってしまいます。村上春樹さんとか、庄司薫さんなんかはそれがもっとも顕著に現れた例ですね。作品年表を覚えて本屋に行って、発行年月日も確認して完璧な順番で読みたかったのです。ちなみにこのお二方のほとんどの作品は、ハードカバーと文庫判で持ってます。村上春樹さんにいたっては全作品にまで手を出してしまいました。もうアホです。
最近そこまでのめり込む作家さんにあうことも少なくて、ちょっと物足りない日々でした。でもついに出会ってしまいました、というか出会ってたんですね。一人はドン・ウィンズロウ。この人は結構前からはまってました。で、もう一人が岡崎京子さんです。
残念ながら出版順には読めていないのですが、何かを読んでは岡崎京子、というパターンになりつつあります。で、今回は「エンド・オブ・ザ・ワールド」を読んでみました。
一度はまるとなかなか嫌いにならない性格を利用して、岡崎京子さんの本を読みふけっています。で、新たに「ジオラマボーイ パノラマガール」を読みました。表紙からもわかるように、画が最近(といっても 8 年も前か…)のものと違いますね。まだなんか柔らかいというか。出版されたのは1989年で、もう15年も前。当時の風俗が描かれていますが、ちょっとこっぱずかしいですよね、80年代って。
“BOY MEETS GIRL” STORY “IN SHU-GO-JU-TAKU” とあるように、普通の女の子と普通の男の子のお話です。女の子(津田沼春子)は退屈な日常にうんざりしながら生きていて、男の子(神奈川建一)は、メチャクチャを求めて高校を中退。二人は偶然出会って春子は建一に一目ぼれ。建一は特に一目ぼれもせずプー太郎生活を満喫。今までと違う世界に足を踏み入れ、お決まりのなんやかんやを体験する。ってな感じのお話です(多分…)。
どうも自分が感じてた以上に岡崎京子さんの「リバーズ・エッジ」を気に入ってしまったようです。あまり短期間で何回も読み直すのはよくないなと思いながらも、気になってしまいます。これじゃいかんということで、新たに「愛の生活」を読みました。
同棲していたOLが突然男をつくって出ていき、家賃を払えず夜逃げをするはめになる林屋三太。棲む当てもなく途方に暮れている三太に、同じ学校の桜田純子に誘われるまま、純子の兄、貴夫と奇妙な同居生活が始まる…ってなお話です。