Keyword "阿佐田哲也" - 6 items

ふくちんれでい|色川武大

色川武大と阿佐田哲也。どちらが好きかと聞かれたら、迷わず阿佐田哲也と答えます。僕は色川作品をなかなか楽しく読めず、阿佐田作品ばかりを片っ端から読んでいました。しかし先日、ふと色川作品を読みたくなり、「ちくま日本文学全集(色川武大)」をパラパラめくっていると、あっという間にその世界にのめり込んでしまいました。歳を重ねて感じるようになれる事もあるんですねぇ…そして、出会いのタイミングって、人であれ物語であれ、とても重要なんだなと最近強く思います。

人間競馬|阿佐田哲也

生きていると何かにすがりつきたくなるときが必ずやって来ます。いくら頑張ったところで最善の結果を出してくれる保証なんてありませんからね。占いやジンクスなんてものがあるのも、最後の根拠無き自信を持つための手段なのでしょう。そうしたもの全てひっくるめて「運」だと思います。

麻雀放浪記|和田誠

子どもの頃は観る映画全てがおもしろかったです。もちろんテレビで放送されているものなので吹替えだし、CMで話は細切れ。でも、すごく楽しみにしていたのを憶えています。

学生の頃は暇さえあれば映画を観ていましたが、退屈な映画もたくさん観ました。子どもの頃は映画を観ていて寝るなんて考えられませんでしたが、いろんな映画館で夢を見ていました。その代わり、気に入った映画は何度も見直して、その度に感動に打ち震えていました。もちろん圧倒的に多かったのは「おもしろいな」と思うだけの映画でしたけど。

僕の映画のランク分けは、長い間この3種類でしたが、最近になって「味方したくなる映画」という種類が増えてきました。「麻雀放浪記」はそんな種類の映画です。

シュウシャインの周坊|阿佐田哲也

一人でいることは嫌いではありません。どちらかと言えば好きなほうだと思います。何をしてるかといえば、まあいろんなことをしていますね。本を読んだり、ネットを徘徊したり、音楽を聴いたり、カレーを作ったり。最近ではヘルニア対策として、軽く運動したり。このようにやりたいこと、やるべきことはたくさんあるわけです。一人万歳です。といっても「ずーっと一人で生活しますか?」と聞かれたら、まあ…断りますね。一つの理想世界ではあるのですが、突然孤独感に襲われた時に何か話せる相手は、絶対に必要です。相当猛烈自分勝手な言い分ですが(笑)。そんな僕なので、「シュウシャインの周坊」はかなり響く作品でした。


男は孤独であることを求め、「手下」はいても「友だち」「相棒」は存在しない「バイニン」の世界に生きている。全てが勝負につながり、「胸を打ち割った話などナンセンス」な世界に生きることに疲れ、友だちを欲したとき、周坊と出会う。しかし、バイニンの世界に生きすぎたのか、友だちというより、真の相棒として周坊をバイニンとして育てることになる。博奕を通じていろんなことを教え、友だちになろうとするが、互いに不器用な感情をぶつけ合い始め、周坊は男の元を去る。そして、ある雀荘で、男は荒みきった周坊と再会する─。


男だけの物語ですが、ある種の愛情が存在している物語です。

耳の家みみ子|阿佐田哲也

心が揺さぶられたり、身体にまで影響があり、そして、人生の彩りを鮮やかにしてくれる。そんな作品をたくさん読んだり、観たり、聴いたりしてきましたが、そういう作品の多くは「人生を豊かにする」といったような、抽象的な効用だけでなく、「へぇーそうなんだ」といったような、実用的知識を教えてくれることが多いです。パスタのゆで方とか、フォーク並びの素晴らしさとかね。「耳の家みみ子」で僕が得た知識は、日本が生んだ世界最高の博奕「手ホンビキ」です。Google で検索するといろんな情報を得られますが、まあ素人衆は手を出せない博奕ですね(笑)。遊びでいいからやってみたいですが、なんか遊びですらやばいという話です。日本にカジノができたら、ラスベガスの真似だけじゃなく、こういった日本独自の文化も体験できれば嬉しいです(笑)。

さて、この物語、「ホンビキ」の息詰まる攻防ももちろんおもしろいのですが、最大の魅力は「(自覚的に)堕ちていく」人々です。

スイギン松ちゃん|阿佐田哲也

村上春樹、庄司薫に続いて、僕の人生を豊かにしてくれる作家に出会いました。猛烈にかっこいいペンネームの、阿佐田哲也です。初めて読んだのは「阿佐田哲也麻雀小説自選集」でしたが、その時感じた作品との親密さが、この「スイギン松ちゃん」収録の「ギャンブル党狼派」で決定的なものとなりました。

「スイギン松ちゃん」は、渡世にあるまじきふるまいをして、破門になったスイギンの松ちゃんと主人公の少し変わった友情の物語です。

賭博場の熱気に魅かれて渡世に入った松ちゃんは、破門にされたことで絶望し、軍隊に入る。激戦の地を渡り歩いた松ちゃんは運良く生き残り、そのせいで自分は桁違いの運を持っていると思い込んでいる。そんな松ちゃんとある雀荘で出会った主人公は、松ちゃんを利用し、だましながらも奇妙な親近感を抱く。二人は時にコンビ打ちをしたりもしますが、松ちゃんがヘタをうつと、主人公はコンビ打ちの最中でも容赦なく松ちゃんをカモにするし、松ちゃんの方もその所業を恨んでいるのに、町で出会うと悪態をつきながらもつるんでしまう。そしてまたカモられる…それでもやっぱりつるんでしまう。そして二人は、勝負をする度に確実に距離を縮めていきます。

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