2005-02-21 Mon

ビフォア・サンライズ(恋人までの距離)|リチャード・リンクレイター

ビフォア・サンセット」を見に行く前に、前作「恋人までの距離」を見なおしました。5〜6年前に1回見たきりでしたが、自分でも驚くほどその内容と会話、映像を覚えていました。

しかし、これはほんとにすごいですね。初めて見たとき、何の情報もなかったので、延々と続く二人の会話に聞き入って気がつくと30分経過。「え? このままずっと二人だけの映画?!」とはたと気付いて、その時点で衝撃を受けるほど退屈させない内容でした。その後もたわいのない会話、たわいのある会話をずっと続けて理解を深め合う二人。そして、別れの時間がやって来る。ほんとにそれだけの物語です。別に二人が事件に巻き込まれて、言い争いしながら事件を解決し、最後は結ばれてハッピーエンド、なんて物語ではありません。二人はただお互いを理解したいと願い、可能な限り最大限の努力をして、自分のことを語り合います。つまり、べつに何か劇的なことが起こらなくても人は理解し合えるし、理由を説明できなくても人を好きになる、という当たり前ことを、この物語は思い出させてくれるのです。理由や理屈は全て後からなんとでも説明できるものです。そして、それこそがとても劇的なことなんだということを教えてくれます。

同性であるイーサン・ホークのはもちろん、異性であるジュリー・デルピーのセリフにも、「あぁ…」というように漠然とではあっても、同じような経験をしていなくても、なぜか「わかる」ことを二人は言います。仲のいい友達と夜通し語り合っていたとき、自分とは別の考え方を聞いても優しく理解できるし、相手もそれを押し付けない。そんな感覚がとてもリアルに喚起されます。心にとても余裕を与えられているんでしょうね。
仲良く話していても、途中で雲行きが怪しくなるときって、自分が否定されているというか「間違っているのかな…」などと思わされて不安になり、苛立たしくなります。例えほんとに自分が間違っていたとしても。そういう心に余裕を生み出せない会話というものが、余計に自分がダメになっていることを実感させられたりして…

でも、この二人の物語を見ていると、そういう「ダメな部分を受け入れることの難しさ」を心に余裕を持って受け入れられるというか、それができなくて当たり前なんだということを感じます。見る前と見終わった後では、心が軽やかになり、「なにかを始めよう」とか大げさな覚悟をするのではなく、今の自分の立ち位置から周囲をぐるっと見渡して、今できることをしようと思います。いや、なんかほんと優しい気持ちで気負いなく、そんなことを考えると思いますよ。

なんだか小難しい感想を書いてしまいましたが、間違いなく元気にさせてくれます。かなり切ない気持ちを抱えながらですけど。見終わった後は「自分ならどうしたかな。そして、これからどうするだろう」と、じっくり考えたり、友達と話したくなるでしょうね。人恋しくさせる映画ですので、そこらあたりは注意した方がいいですよ(笑)。たわいない、中身のある会話をしたくなるんです。ジュリー・デルピーやイーサン・ホークのような人って、周りになかなかいませんからね。

…だからこうしてBlogに書いているのかもしれません。たわいもなければ中身もない感想ですが(笑)。とにかく、とてもとっても素晴らしい物語です。

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