うろんな客|エドワード・ゴーリー
うろんな客|エドワード・ゴーリー
- Author : pushman|Book|2005-10-27 Thu 22:03
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エドワード・ゴーリーの作品って、人によっては大変に不快な思いをする可能性が高いですし、ちょっと笑えない、と思う人がいても全然不思議じゃありません。でもこの「うろんな客」は、エドワード・ゴーリーの作品の中でもっとも単純におもしろいと思える作品だと思います。
表紙に書かれている、黄色と白のマフラーを首に巻き、白いスニーカー(コンバース?)を履いている珍妙な姿の生き物が「うろんな客」です。表紙をめくると、好奇心いっぱいの表情でとある屋敷をのぞき込んでいます。そこには裕福そうではありますが、虚無感ただよう家族の姿。幸せの存在なんてまったく知らないような表情です。そこにある風の強い夜の日に、突然の訪問者。もちろん先程屋敷をのぞいていた「うろんな客」です。その日から、この家族の喜劇がはじまります。
設定からしてかなりシュールなのですが、この「うろんな客」の行動がさらに意味不明です。家族の前にこそ颯爽と登場しますが、その直後からもう笑うしかない行動を取ります。むかし「ごっつええ感じ」で「ボケましょう」というコーナーがありましたが、この「うろんな客」なら間違いなく「100ボケー」とれたことでしょう。
いつものように、絵だけでもおもしろいのですが、今回の柴田さんの訳も冴え渡っています。対句形式の英文をなんと短歌に置き換え、とてもリズムよく読めるようになっています。短歌形式にした理由などは、解説に詳しく書かれていますが、それにしてもこの絵と短歌のはまり具合がもうほんとに絶妙です。ちなみに、意味的により完全な散文バーションも収録されています。
この「うろんな客」の正体というかモデルを解説の中で紹介していますが、確かになるほどと思えます。読んでいてなぜか憎めない理由もそこにありそうです。それに、虚無感でいっぱいの家族も「うろんな客」が屋敷に住みついてから、人間らしいいきいきとした表情に見えるのは、気のせいではないと思います。そういえば「うろんな客」自身も、無表情なのにその時の感情をうまく家族に伝えているようです。なかなかこういった関係を築くのは難しいはずですが、その正体をしれば「なるほどな」と頷くこともできるでしょうね。
いろいろ検索していたら「Wonderful World of Edward Gorey」というファンサイトが見つかったのでご紹介。かなり詳しい情報が見れます。素晴らしいです。やはり皆さん考えることは同じで、ゴーリーグッズ欲しくなるんですね(笑)。このサイトでは、手作りのゴーリーグッズの写真が見れますが、どれもすごいです。特に「うろんな客」のブックエンドが猛烈素晴らしいです。欲しい(笑)。
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Tag(s): エドワード・ゴーリー / 柴田元幸 / 絵本
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Comments
- Posted by honyomi-world|2007-11-17 Sat 12:28
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エドワード・ゴーリー初めてですが、
はまりそうです。リンクさせてもらってます。
- Posted by pushman|2007-11-21 Wed 00:16
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honyomi-worldさん
初めまして、こんにちは。エドワード・ゴーリー、いいですよね。僕も一気にはまってしまいました。いろいろ読みましたが、やはり一番のお気に入りはこれです。この作品には「笑っていいのかな…」と思いながら笑ってしまう、後ろめたさがないのがいいですね。
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