星の王子さま|サン=テグジュペリ

星の王子さま|サン=テグジュペリ

Author : pushman|Book|2005-10-16 Sun 14:18

先日、久しぶりに乗った電車で遅延に遭遇しまして、ゆっくりと「星の王子さま」を読むことができました。全然ストーリーを知らず、勝手に「エルマーの冒険」みたいなものを想像してましたが…ってボックス出てるの?! また欲しいものが…まあいいや。とにかく、いろんな感想に書かれていた「大人のための童話」という意味が、なんとなくわかった気がします。

Amazonで買ったのですが、相当迷いました、だって、いろんなバージョンがあるんだもの。それぞれに書いている感想を読んでいるうち、ぼく、ほんとうにほしくなっちゃったんだ。といったかんじで読む前から王子さま気分になっていったのですが、迷った揚げ句にちょっと高めの「愛蔵版 星の王子さま」を買うことにしました。大人買いです。率直に言えば、訳が古くて少し読みづらかったですが、雰囲気はとてもよかったですね。新訳版や別のものは読んでないのでなんとも言えませんが、旧訳の方がより子どもの頃の感じを思い出せるのではないかと思います。もちろん世代に拠るでしょうけどね。

今更あらすじというのもなんですが簡単に説明しますと、とても小さな星に住んでいた一人の王子さまと、飛行機が故障してひとりぼっちになってしまった大人が出会い、王子さまが見てきたことを通じて、大人が忘れてしまったものの大事さを思い出す、という物語です。物語の流れ自体はとても単純で、ラストも容易に想像できます。ですが、王子さまがいろいろな星で出会う大人たちと交わす会話が、読み手をハッとさせます。だから「大人のための童話」といわれ、長い間人気が有るんでしょうね。余り軽々しく言うことではないと思いますが、ほんとに大事なものは目に見えない、というメッセージを、普段素直に聞けない大人たちも、割とすっと受け入れられる何かがこの物語には有るんでしょうね。不完全ながらもかわいいイラストがその力になってるような気もします。

なんか熱狂的なファン、というか研究家もいるようですが、どうなんでしょう? やっぱりこれは単純に読んだ方がいいような気がします。まあ悪くいえば、そのような読み方を好む人は「大人」なのかな、と思います。僕も昔はいわゆる深読み、みたいなことするのが好きでしたし、そういう研究本とかも読みましたが、歳ともに自分の直感で楽しむようになってますね。考えることができなくなってしまったのかも知れませんが(笑)。でもやっぱり「実はあれはこういう意味で…」なんてことを考えなくても楽しめる物語って素晴らしいと思うし、何より誰かの解説なんていらん! ということを強く思うここ最近です。なんて事を偉そうに言ってるうちは、まだまだ子どもですね。

…子どもと大人ってなんでしょうね。この物語では、当たり前のことを当たり前に考えず、いろいろややこしくしてしまうのが大人のようでも有ります。なによりこんな理由付けを考えなくても、子どもは確かに大事なものを持っているし、かつてはみんなが持っていたということが伝わります。なんてこといいながらも、翻訳者の解説を読んだ後で序文を読み直すと、この本を書いたときの決意のようなものをはっきり感じますし、でもそれってこの物語とは直接関係ない、いってみれば裏話で、そういうことに気付けることもなかなか捨てたもんじゃ無いなとも思いますね。ほんとの子どもはちょっとこの部分はわからないんじゃないかと思うんです。(歳だけ)大人のちっちゃいプライドかも知れませんが(笑)。

最初にも書きましたが、僕は電車内で読んでいました。となりに小学校4〜6年生ぐらいの男の子が座っていて、その子はPSPだかGBAだかわかりませんが、マルチスクリーンのゲームウォッチみたいなのもので一所懸命遊んでいたわけです。で、となりでいい歳こいた僕が「童話 星の王子さま 愛蔵版」を読んでぐっときてると。もうね、なんともいえない感覚でしたね。でもたぶん、その男の子はわざわざ本を読まずとも、普通に自分の感情を大事にしているんでしょうね。

この本の最後には原画のデッサン数点が紹介されています。僕は絵が描けないし、まして善し悪しなんてわからないですが、それでも何か深い思いが伝わってきました。やっぱり愛蔵版にしてよかった、と思いながら最後のページを開くと、王子さまが星から来たのか、星に帰るのかわかりませんが、空に浮かんでいるイラストでした。驚いているようにも見えるし、ちょっと怒っている様にも見えます。でもなんか、ほほ笑ましくて、さらに余韻に浸っていたのですが、ふとその隣のページを見ると「小学5・6年以上」と書いてるんですね。なんだかなぁ…と思った僕は、きっと普通の大人なんですね。

愛蔵版 星の王子さま

愛蔵版 星の王子さま

サン=テグジュペリ、Antoine de Saint‐Exup´ery、内藤 濯
岩波書店:2000/11
価格:¥ 1,680(定価:¥ 1,680)
ユーズド価格:¥ 199
通常24時間以内に発送
(価格・在庫は11月21日 15:55現在)


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